金谷聡子さん
カリフォルニア大学アーバイン校【UCI】4年生・Law and Society専攻


安全な国
日本への誇り

 幼い頃から正義感が強かったため、警察官という仕事に憧れを抱いていた。弱い者のために戦う彼らは、理想の姿だったという。だが、高校2年生の時、ある事件がきっかけで、その理想はもろくも崩れ去った。それはストーカーである。恐怖に怯えながらも、思い切って警察に相談した。返って来た答えは、事件性のない現時点では、何もできないという悲しい現実だった。「なぜ何もしてくれないの?」、そんな警察官の対応に幻滅したのと同時に、怒りを覚えた。
 しかし、どんなことがあっても、警察官になる夢を諦めなかった。持ち前の正義感から「弱い人を守れないルールを、自分が上に立って、どうにかして変えたかった」という。高校3年生の時、地元の警察官との交流を通して、犯罪学の本場はアメリカだと知る。
 自立心を重んじる母親の理解とサポートもあり、視野を広げ、犯罪というものをより詳しく勉強するために、高校卒業後にアメリカの大学進学を決意した。



地域に根ざした警察官
犯罪を防ぐ重要性


 大学進学後、警察官志望を決定づける大切な授業と出会う。それは少年犯罪学だった。「少年たちは、なぜ罪を犯さなかったのか?」という逆の観点から彼らの心理を勉強し、重要なことに気付く。「犯罪は未然に防ぐことが何より重要です。親の愛情、地域の環境など、子供たちの日常生活の中にこそ、そのヒントが隠されているんです」。
 小学校3年生の時、交通安全を教えに来た優しい警察官の姿を今でも覚えており、刺激を受けた。こうした活動が、子供たちの安全への意識作りに重要だと考えている。「子供の教育だけではなく、親、先生、地域が一体となって子供を守っていこうという意識を作るその第一線に警察官がいるべきだと思います」。
 現在は法律事務所でインターンをこなし、知的障害のある子供がほかの子供たちと同じ教育を受けられる権利を学校側に申し立てる弁護のサポートをしている。
 将来の目標は、生活安全課や地域課に入り、地域に根ざした活動を展開、もしくは刑事課で国際的事件を扱うこと。さらに将来的には、警察学校の先生やアメリカでの留学の経験を生かし、日本の学生に犯罪学を教えたいと思っている。彼女の揺るぎない信念が、将来の日本の安全を創っていくことだろう。

チューターのボランティアで生徒たちと
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(Lighthouse2008年03月01日号より転載)