浅井みら野さん
アズサ・パシフィック大学 3年生・Global Studies and Journalism専攻


【世界へ羽ばたくジャーナリスト】

ジャーナリズムは芸術である

 生後まもなく、父親の仕事の関係で故郷の長野を離れ、12歳までドイツで生活をしていた。ドイツの洗練された町並みと情景が、彼女の脳裏に今も焼き付いて離れないという。ある日、そこで一生忘れられない景色に出会う。フランクフルトの町が一望できる丘に行った時のこと。夕日が鮮やかに町一面を照らしていた。その町の外を見渡すと、やさしい金色の草原が広がっていた。「その時の感情はとても言葉では表現できません。この言葉にできない感動をもっと多くの人に伝えたいと思いました」。
 その手段として彼女が思い付いたのは、写真だった。写真家という職業もあったが、写真だけではなく、自分の仕事の可能性を広げるため、文章能力のスキルアップも必要だと考えていた。そんな時ある雑誌をめくっていると、トラベルジャーナリストという職業を目にした。今までに聞いたことのなかった職業だったが、その内容を調べていくうちにこれが自分の就きたい職業だと確信した。なぜなら世界を見てみたいというかねてからの思いと、言葉にはできない思いを伝えることの両方を実現できる仕事だったからだ。
 目標実現のために自分がしなくてはいけないことは、世界を駆け回るために必要な世界共通言語の英語を身に付け、国際感覚やジャーナリズムを勉強できる環境を見付けることであった。その条件を満たしているのが、留学という選択だった。こうして2005年9月よりアズザ・パシフィック大学に入学することになった。
 大学での生活は想像以上にハードで戸惑った。なかでも大変だったのが、ジャーナリズムのクラス。毎日の授業に追われ、課題、テストなど、日を追うごとに忙しさが増していった。そんななか、ただ課題をこなし、エッセイを言われたように書き、物事をただこなしているだけの自分に疑問を抱くようになる。
 そんなある日、クラスの先生が言った。「Journalism is Art.(ジャーナリズムとは芸術である)」。「そのひと言で、自分が本当に伝えたかったことを思い出しました。フランクフルトの景色を目の当たりにした時の、言葉にできない心の中からあふれ出てくる『思い』や『感情』を、自分の作品を通してみんなに伝えたかったんだということを」と彼女は振り返る。
 今は自分が書いた文章や撮った写真が、少しでも見る人の心に言葉にはできない温かいものを残せるようにと心がけている。将来の目標は、フリーのトラベルジャーナリストになること。「世界のすべての国々を駆け回り、世界にはまだまだ本当に美しいものがあるのだと、みんなに伝えたいです」。
 現在、JSN(Japanese Student Network)の活動、そしてインターンとしての仕事をこなしながら、日々目標に向かって邁進している。浅井さんの作品がドイツのやさしい夕日のように、多くの人の心を照らしてくれる日が待ち遠しい。


ドイツの草原
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(Lighthouse2008年06月16日号より転載)