06年に転職した人は年平均で346万人と前年比1.8%増え、02年以降で最多でした。
単純比較はできませんが、バブル期の1990年の転職者数(209万人)を上回り、転職市場が盛り上がっています。
最近は企業からの求人依頼は前年同月比30%増のペースですが、転職希望の求職者はさほど増えていません。
転職しそうな社員の処遇を良くして引き留める企業が増えて、ますます転職者の賃金が上昇する構図のようです。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、サラリーマン一人あたりの現金給与総額は今年7月まで8カ月連続で前年同月の水準を下回りました。
ですが、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「前職より高い賃金で転職できる人が増えれば、サラリーマン全体の平均賃金が高まる」とみています。
年齢別では15?24歳、35?44歳の転職者で収入が増える人が増加しています。
団塊の世代の退職で、企業は新卒を大量採用していますが、それでも人員が足りず、好条件で中途採用を増やしている様子がうかがえます。
男女別では特に女性の転職者で収入増の傾向が目立ちます。
「収入が前職より減った人」は128万人と前年同期比で3万人増えました。
45?55歳では転職で収入が減った人の方が多いのですが、「減った人」が減少し、差は縮んでいます。
55歳以上では団塊世代が一度退職して再雇用される際に、賃金が低下した人が多いため、収入減となる人の比率が高くなります。
総務省が集計を始めた2002年以降、転職者のうち「前職より収入が減った人」の割合は常に「収入が増えた人」の割合を上回ってきました。
4?6月期の収入が減った人の割合は36.5%と収入が増えた人の割合をわずかに上回りましたが、差はかなり縮まってきました。
これまでは企業がリストラの一環で人員削減を進めた結果、転職先で賃金が下がる例が多かったのですが、最近は景気回復による人手不足で、賃金が上がるステップアップ型の転職が広がってきました。
総務省の調査によると、4?6月期の転職者のうち「前職より収入が増えた人」は124万人で前年同期比で5万人増えました。
15?44歳の層では、転職して前職より収入が増えた人が減った人より多くなっています。
この層では転職で収入が増えた人が増加しただけではなく、転職で収入減となった人が減少しています。
転職後の賃金が全体として底上げされる傾向が定着してきたようです。
9月18日の日経新聞トップ記事は、雇用情勢の改善を受け、転職者の賃金上昇が鮮明になってきたというものでした。本日から4回にわたりこの記事についてご紹介したいと思います。
総務省の労働力調査によると、今年4?6月期に転職し、前職より収入が増えた人は124万人と前年同期比で5万人増えました。転職者全体に占める比率は35.3%と過去最高を更新しました。企業の人手不足が広がり労働需給が引き締まる中、賃金上昇の動きが若年層から中堅層にも波及してきました。転職市場が拡大し、平均賃金の押し上げ要因になる可能性もあります。
次回は記事の内容を詳しく見てゆきますが、その前に、労働力調査とはどのようなものか、以下はその解説記事です。
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<労働力調査>
総務省が就業者数、完全失業率などを調べるため、戦後まもなく始めた調査。調査対象は約4万世帯。
完全失業率を発表する月次調査とは別に、2002年からは正規、非正規といった形態別の雇用者数、失業者の失業期間、失業理由などを調べる「詳細結果」を四半期ごとに発表している。
調査では、就業者のうち過去1年間に離職を経験した人を「転職者」と定義し、その動向を調べている。就業者に占める転職者の割合(転職者比率)は年齢が若い層ほど高く、15?24歳では14.3%と約7人に1人を占める(07年4?6月期)。男女別では女性の方が高い傾向にある。
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前回、前々回とご紹介した「働きやすい会社」調査。
ランキング上位企業は以下のようになっています。
「働きやすい会社」ランキング上位企業(カッコ内は得点)
●評価項目別
・社員の意欲を向上させる制度
1位 日本IBM(199.08)
2位 松下電器産業(194.75)
・人材育成と評価
1位 凸版印刷(87.94)
2位 日本IBM(86.34)
・働く側に配慮した職場づくり
1位 松下電器産業(202.91)
2位 NEC(199.16)
・子育てに配慮した職場づくり
1位 東芝(142.73)
2位 松下電器産業(136.99)
●総合
1位 松下電器産業(619.47)
2位 NEC(589.52)
3位 東芝(581.01)
4位 日本IBM(578.51)
5位 凸版印刷(572.60)
「働きやすい会社」調査の評価項目「子育て」で首位となった東芝は、
従来、夫の転勤などの事情で退職した女性社員に限定していた再雇用制度を出産や妊娠を機に退社した女性にも対象を広げた点などが評価されました。
「社員の意欲を向上させる制度」では、同項目で幅広く高得点を記録した日本IBMが首位。
「人材育成と評価」では凸版印刷が首位になりました。
総合ランキング1位の松下は「働く側に配慮した職場づくり」でもトップです。
4月にホワイトカラー従業員3万人を対象にした国内最大規模の在宅勤務制度を導入し、すでに8百人が利用していて、年度中には3千人まで広がる見通しです。
総合2位のNECは、透明性の高い人事考課制度なども高い評価を受けました。
一方、ビジネスパーソンが「非常に重視する」とした割合が最も高かったのは「年次有給休暇の取りやすさ」(54.7%)でした。
過去のリストラと最近の業績拡大で社員の負担感が高まっているのを反映したとみられる、と記事は報じています。
日本経済新聞社が主要企業を対象に実施した2007年「働きやすい会社」調査についてご紹介します。(8月27日 日経新聞掲載)
調査の実施は今年で5回目。回答企業は399社で、同時に実施したビジネスパーソン調査は2600人から回答を得ています。
各社の人事・労務制度の充実度を点数で算出し、ビジネスパーソンが重視すると答えた制度に得点を傾斜配分。総合評価に加え、4つの項目でランキングを作成しています。
評価項目別ではでは東芝が「子育てに配慮した職場づくり」で首位になるなど、育児支援や社内公募制といった働く環境の整備に力を注ぐ企業が高い評価を受けたようです。
企業別ランキングの総合1位は3年連続で松下電器産業。同2位はNECでした。
次回は調査結果をもう少し詳しくお伝えします。
一昨日、昨日に続き、大手銀行の採用に関するお話です。
大手銀行は専門的な知識を持つ人材の中途採用にも力を入れています。
今年12月に予定される保険窓販の全面解禁をにらみ、生命保険会社の出身者やファイナンシャルプランナー(FP)の有資格者などに照準を合わせ、個人向け(リテール)部門での戦力を強化しようとしています。
三菱東京UFJ銀行は今年度に入ってから、定期的に就職情報誌などで保険商品などの販売に携わる人材を募集しています。
転勤のない地域限定の職種で、各支店で金融商品の販売などを担います。
すでに累計で1000人を中途採用している三井住友銀行では、採用面接時に人事部の担当者だけでなく、支店長など実際の職場の責任者が同席。
具体的な仕事内容を説明することにより、希望と実際の仕事内容のミスマッチを避け、採用人材の定着率を高めようとしています。
みずほ銀行ではリテール部門だけでなく、取引先企業の進出が相次ぐ中国の弁護士資格を持った人材を採用するなど、幅広い分野で中途採用を活用しています。
(9月5日 日経新聞より)
昨日に引き続き、『大手銀行が20代の「第二新卒」の採用に力を入れている』という日経新聞の記事より、ご紹介致します。
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各行とも採用した人材が長く定着するかどうか見極めに力を注いでいます。
「前の職場を短期間で辞めた人は、今回もすぐ辞めてしまうのではないか」と不安視する声が多く、いずれも前職を辞めた理由などを細かく聞いたうえ慎重に判断する構えです。
結果的に「新卒とは比べものにならない狭き門」(大手行担当者)になっているといいます。
バブル経済崩壊後の経営再建のため長く人員削減を続けてきた金融機関は、数年前から採用積極化に転じています。
大手銀行による分野を超えた人材調達が広がれば、他業界などとの若者の争奪戦も激しくなりそうですと記事は締めくくっています。
明日は同じく大手銀行が取り組む専門的な知識を持つ人材の中途採用についてご紹介します。
大手銀行が20代の「第二新卒」の採用に力を入れていると、9月5日の日経新聞が報じています。
大学卒業後に入った会社を数年で退職したり、司法試験などを目指し就職しなかった若者らが対象です。
これまで採用は新卒か金融経験者に限られていましたが、金融未経験の若手も対象にすることで優秀な人材を確保する考えです。
バブル崩壊後の採用抑制で層が薄くなっている20代後半の行員を増強する狙いもあります。
りそな銀行は今年度27歳くらいまでの金融未経験者を数十人採用する考えです。
人材派遣会社を通じた募集のほか、新聞や雑誌などの広告も使って広く人材を募り始めています。
同行の担当者は「各企業が新卒の囲い込みに走っている中で、採用対象を広げて優秀な人材を確保する」と話しています。
「社会経験を積み成長していること」が新卒にはない魅力としていて、採用後は研修に2年程度かけ金融を学ばせる計画です。
みずほ銀行も同様のやり方で第二新卒の募集を今夏から本格化しました。
28歳くらいまでの社会人経験者が対象で金融経験は問いません。
三井住友銀行は20代の金融未経験者を2005年3月以降、約80人採用しました。
現在もホームページなどで募集を続けています。
「3?4年前まで採用を絞っていたため20代の行員は層が薄い。当時採れなかった優秀な人材を取り返したい」(人事担当者)と話しています。
昨日に引き続き、日本経団連の初任給調査の記事についてお伝えします。
調査では、初任給を据えおいた企業は56・3%と、平成15年のピーク(91・4%)以降、4年連続で減少したそうです。
産業別では、石油・石炭製品業が平均24万6000円とトップ、最低は金融・保険業の18万7018円となっています。
初任給決定の理由について「在籍者とのバランスから判断」「世間相場から判断」と回答した企業が、それぞれ3割ずつを占めています。
日本経団連は、「優秀な学生の確保のための魅力向上に加え、企業業績の回復に伴う社員給与の引き上げが進み、これまで据えおかれていた初任給にも調整が及んだ」と分析しています。
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■平成19年度の初任給水準
大学院修了事務系 22万3131円(0.56)
大学院修了技術系 22万4478円(0.60)
大学卒事務系 20万5074円(0.66)
大学卒技術系 20万6579円(0.58)
高専卒技術系 18万1853円(0.67)
短大卒事務系 17万2577円(0.61)
高校卒事務系 16万1273円(0.60)
高校卒現業系 16万2753円(0.61)
※カッコ内は前年比伸び率%
産経新聞に、日本経団連の初任給調査の記事が掲載されました。
日本経団連が3日に発表した今春新卒者の初任給調査によると、
大卒事務系の平均は対前年比1354円増の20万5074円、
短大卒事務系が同1041円増の17万2577円と、
10年ぶりに1000円を超える伸びとなったそうです。
伸び率は大学院修了事務系で0・56%、大卒事務系で0・66%となり、前年の上昇率に比べてすべての学歴でほぼ倍増。
企業業績の回復に加え、少子化と団塊の世代の定年退職で人材確保に向けた条件の改善が進んでいる状況が浮き彫りになったと記事は伝えています。
調査は、日本経団連と東京経営者協会の会員企業2065社を対象に実施し、731社が回答。
うち、従業員500人以上の大手からの回答が74・3%を占めています。
―― これからのサラリーマンに求められる気質は何か?
戦後のサラリーマンは先憂後楽。
まず心配して貯蓄して人生を読み切る生活が良いとされたが、これからは健全な楽観主義が必要だ。
人生は予定通りにはいかない。
昔の人は「その時はその時」という覚悟があった。
変動がきても慌てない。
覚悟があれば楽観的に生きられる。
そして「有利」より「好き」を選ぶことを何よりも大事にしてほしい。
この職業が有利、例えば医者が有利という選択ではなく、この職業、この職場が好きということで選ぶべきだ。
あらゆる職業において「有利」を探すと必ず失敗する。
仕事がおもしろいということが幸せ。
好きなことをするのが幸せ。
「好き」は仕事にも暮らしにもある。
「好き」を基本に勇気と決断と覚悟の美意識を持ち直そう。
―― 現在のサラリーマンに横たわっている問題とは?
近代工業社会で物財の多いことが幸せという時代は20年前に終わり、満足の大きなことが幸せになった。
満足とは主観的。
世界中の人は主観を持ち出しているのに、日本だけは客観がいいと思いたがっている。
サラリーマンとして生きるには自分の意見より会社の意見。
職場の意見に従うことが客観につながる。
自分で考える必要はないし、選ぶ必要もないので楽なのだ。
そういう考え方を団塊は次世代に教えた。
今の現役の多くは決断と勇気がなく、臆病を慎重と言い換えてしまう。
この国を上手に再生したり、違った繁栄に導くことができない。
根本的な改革を避けている。
むしろ思いもつかないでいるのでは、と非常に心配している。
日経新聞の連載企画「サラリーマン」より、9月1日に掲載された作家・堺屋太一氏へのインタビューを本日から3回にわたりご紹介します。
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―― 戦後サラリーマンは日本社会の中でどんな役割を果たしたのか?
サラリーマンの存在はまさに戦後そのものだ。
戦後を成功の歴史と見るか、失敗と見るかで評価はがらりと違う。
一部の人は現在の少子化、財政危機という問題を引き起こしたのは団塊の世代のサラリーマンのせいだという。しかし戦後の日本は大変な成功、サラリーマンこそ功労者だと、私は思う。
団塊の世代が社会に出た1960年代後半、まだ貧しい発展途上国だった日本に道路をつくり、住宅を建て、教育を普及させ、外貨も貯めた。
熱心に働いた割には楽しまないで貯蓄をした。
それができたのは年功序列や終身雇用制度。
戦後のサラリーマンは企業ごとの終身雇用、日本全体の高度成長、人類文明全体の規格大量生産希求という三重の繭、シェルターに包まれていた。
戦後の最大の功労者といえる団塊世代が失敗したのは師弟教育だった。
子供に勇気とか覚悟とか独創といった美徳を教えなかった。
自分で考え選択する気力を与えなかった。
一流の学校を出て会社に入るのが幸せなんだと。
優しさと安易さだけが美徳と教えた。
