もう一つ、『日経キャリアマガジン07年8月号』では第二新卒者100人と、第二新卒を迎え入れた企業側の100人のインターネットアンケートによる調査結果を載せています。
転職後の第二新卒者に尋ねた「自分がどんな人材に見られていると感じましたか」という問いでは、「即戦力」(46%)、「新人研修済みの新卒」(29%)、「新卒とイコール」(25%)という結果となりました。
半数近くの人にとって、社会人を経ているという自負が転職後の自信となっているようです。
これに対して、第二新卒者を採用する企業の意識はどうでしょうか。
「第二新卒者を採用対象とした理由」(労働経済政策研究・研修機構、2005年)を見ると、中途採用する企業は、「即戦力になるから」(41.6%)という理由が最も多く、また「第二新卒者の職業意識が高いから」(15%)、「研修期間が短くてすむから」(9.5%)など、社会人経験を重要視しています。
これらを合わせて考えると、採用する側の期待を転職者はきちんと理解して入社していることは明確です。
ある生命保険会社の採用担当者は「他の業界を経験していれば、生保業界の欠点や改善点も見えるのでは」と「新しい風」になってくれることを望んでいます。
中にはベテラン勢よりもパワーにあふれ、入社半年でトップレベルの戦力になったケースもあるといいます。
ただし、調査結果(1)で紹介したように、上司に対する不満から退職した人も多くいます。
同生保担当者は、「前職の何が嫌で、なぜ乗り切れなかったか。今後自分はどうしたいかという考えを話してほしい。同じ間違いを繰り返さないよう、どれだけ考えを深めているか確かめたい」と採用する上での着目点を挙げています。
「前の会社を辞めて正解だったか」という質問では、実に93.5%が正解だったと回答しました。
「生活が楽しくなった。向上心も芽生え、仕事も良い感じで回っている」(27歳男性)、「家族との時間をたくさんとれる」(28歳男性)、「セクハラやくだらない嫌がらせがない。仕事に集中できる」(29歳女性)というように、プラス効果が顕著に表れています。
一方で、「嫌でももう少し経験を積んでおけばよかった」(29歳女性)と後悔している回答もありました。
ただ現状から逃げ出したい一心で転職を試みても、結局また次で失敗するという典型的な例もあるようです。
「転職してから自分のどんなところが伸びたと思いますか」という質問では、「専門知識」(43.5%)、「コミュニケーション力」(36.5%)、「行動力」(36%)、「判断力」(35%)が上位を占めます。
社会人としての経験を積み、新卒とは違うスキルをしっかり持つことが、第二新卒としての転職で成功するための重要なポイントであることがうかがえます。
実際、わずかな社会人経験だけで十分な能力を備えることは難しいものです。
転職先でさらに自分を磨く努力をすることで、明日へとつながっていきます。
企業から求められているものに答える力がなければ、自分自身も満足することはできません。
常に上を目指し、自分自身の能力を高めていく努力が大事であることを、肝に命じておきたいものです。
せっかく転職するのなら、好条件、高待遇を期待するのは当然のことです。
では、実際に転職した人々の意識はどうでしょうか。
キャリアアップを目指す社会人のための情報誌『日経キャリアマガジン07年10月号』では前の職場を1年以内でやめた人を対象にインターネットによるアンケート調査を行いました。
回答者のうち3人に1人は3回以上の転職を経験しています。
1回から2、3回の転職を経て「現在の会社で働くことを決めた理由」で最も多かったのは、「仕事にやりがいがある」(40%)でした。
次いで「給料・昇給の待遇が良い」(31%)、以降「スキルアップのため」(25%)、「プライベートの充実」(23%)と続きます。
同アンケートで「会社を辞めた理由」の1位が「会社や上司の考え方に不満」(42%)だったことを考えると、「仕事で最も重視しているのはやりがいであり、前職では上司らとの考え方の相違が辞めるきっかけとなった」ということになります。
もちろん会社の事情もあるでしょうが、前職で満たされなかった仕事に対する「やりがい」を求めて転職を決意し、現在その「やりがい」を手に入れたことで満足できているということです。
一概に「昇給」や「キャリアアップ」が全てではないようです。
